有史以来戦争が絶えたことはない結果から、宗教が平和を説いても、人の欲がそれに勝っていたのである。
この先も平和は来ないだろう。
国益が当然である今の世では避けることはできない。
もし平和を欲するのであれば、心の内のみに求めるべきである。
心の内から外に向けると必ず反対する者が現れる。
そこで争い戦いとなる。
しかし、本当は心の内に秘めていても、分かるものには分かるものであり、心にも戸は立てられないのである。
その心の内での思いも消し去ったところにしか平和はないのである。
思いあるところ全て戦いがあるのである。
「色即是空」、あるものは本当はないのである。あると思うからあるのである。
色と空、この合い反する二つの間にあるのは、自分の思いである。
平和は自分の思いの中にあり、他人に強いるものではないのである。
斯く述べる私も、口だけであると自覚し、うろうろしているのである。