一般人向けに東洋医学の書籍が多く売られている。

東洋医学を広めるという意味でありがたいのであるが、誤解を生む場合もある。

例えばツボへの操作方法である。

症状改善の為なら、関わるツボを刺激すれば効くとすると表現が多く、ドアをノックすれば必ず家人が出て来るが如くである。

ノックでもドアが壊れるほど力強く叩くと家人は恐ろしくて出て来ないだろう。また、用事をしていて出られない場合もあるだろう。

治療を期待したツボへの刺激もこれと同じである。

気のなんたるか、治療のなんたるか、ツボの意味、自己の能力などを知り、何をすべきか、何ができるかを理解しなければならないのである。というか必須である。
これがプロである。

気的治療の手法をとっても、気を流し込むか、吸い出すかの2つがある。

しかし、一般人にこのようなことは出来ない。

だからツボ治療を指導するのであれば失敗のない無難な手法を教えるべきである。

ところがツボは押さえれば効くとか、爪楊枝で突っつけは効くなどがまかり通っている。

気の少ない人がツボに触れると気を吸い取られ病状は悪化するものである。

爪楊枝で突っつけば気は漏れやすくなり、漏れれば病状の悪化を招く。

このような気の原理は東洋医学の基本である。

このような基本も知らない方が東洋医学の紹介本を書かれるのは反って東洋医学の地位を危うくするのではないかと思うのである。

現代人のほとんどは環境の悪化のせいか気は少なく、補うべき人ばかりである。

このような現状を理解せず、刺激をすれば皆良くなるなどと云うのは問題である。