遠隔治療を手探りで学んでいると、東洋医学的概念と現代医学的概念との、互いに未知なる二者の合流がある。

あたかもアマゾンの白い川と黒い川との合流のようなものである。出合って間なしの暫くは混ざらないが、流れと共に混ざり合う。
(アマゾン川のソリモンエス川とネグロ川が合わさる都市マナウスでは、並行する白と黒の水がなかなか混ざり合わずに10km程度まで流れてゆく)

現在は東洋医学と現代医学とが、未だ混ざり合わない時期である。
しかし、私は混ざり合おうとしている。そして混ざり合えそうに感じている。

東洋医学は経験医学と言うが個人の経験は、感覚や知識、環境(政治体制、生命観)などの諸条件により、異なった経験となるし、異なった結果を得る。
それが流派となっているのである。

そんな定まらない東洋医学の中で、基本的共通項として気の存在がある。
初学の者の間では、気の感じ方に個人差があり過ぎて、異なるものとなる(流派)が、上達進化してくると、その差が消え、同種の認識となる。

この同種の認識レベルになれば、現代医学との合流も然程障害もないのである。

そして合流するに連れて面白くなってくるのである。

例えば、右尺位の虚は、東洋医学では、腎経の虚であり、膀胱経の虚であり、右大腸経の虚であり、右下半身の虚である。
現代医学的には、腰椎の虚であり、右腎臓の虚であり、右扁桃体の虚であり、右脊髄神経の虚であり、右脳の虚である。

だからとて至陰一穴を補って全てが調う場合も有れば、何処かが通り難く良くならない場合もある。
そんな時、以上の部位を解剖学的に
個別に調べ直すのである。
この作業が進めば、簡単に異常部位を探し出すことが出来るのである。

ここまで出来れば、東洋医学と現代医学との合流の第一歩である。
この作業を今後も進めていきたいと思う。