賢者が凡人に対して高度なる術を教える場合、端折って教えることがある。
何故ならば、凡人には術の全てを会得できるだけの能力が身に備わっていないからである。
端折って教える事は、オートマティックの車の運転方法を教える事に似ている。
原理を知らないまま、ハンドルやスイッチを操作すると運転ができるのである。
また、スイッチを入れると電灯が点くようなものである。
賢者は原理を理解してそれを用いる。
だから、壊れても直ちに直せるし応用が利く。
東洋医学(鍼・薬)の伝承もオートマティックが多い。
鍼を刺すことで気というものが何らかの変化を起こし、病の改善に繋がると教えられ盲信の如く信じられ伝承されてきた。
しかし、多くの東洋医学家はその原理を知らない。
知っているのは言葉だけである。
彼らの効果ある原理は、刺すことよりも、ツボに刺したら治るという、信じ込みからくる念力が効果有る原理の殆どである。
刺すことに大きな意味はないのである。
刺された側も、刺されることで効くと思い込み、その思い込みが自己治癒力に繋がるのである。
医家も病人も暗示の力による。
ここがオートマティックなのである。
この原理ではなく、東洋医学の源流の”気の原理”を知ると、治療に鍼は刺さないでいいことが理解できるのである。
ただ、思いのコントロールのみでいいのである。
薬も同様である。
身に着けるだけでよいのである。